HIV(AIDS)
HIVに感染することと、「エイズ(AIDS)」は違います。
HIV感染者・・・HIVに感染している人
AIDS・・・HIVに感染している人が一定期間を置いてさまざまな感染症の症状が出た状態のこと。
日本で増加しています。
他のSTD(性病)に感染していると、HIV(エイズウイルス)の感染率は3~5倍になります。
検査可能になるまで、約3ヶ月必要です。昔は大変恐れられていましたが現在、早期発見、早期治療により、エイズの死亡率は低下しています。
ただし、いまだに感染経路についての誤解が多い病気です。
- 原因
- HIV(ヒト免疫不全ウイルス) human immunodeficiency virus
- 感染経路
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- HIVを含む体液が相手の粘膜や傷口に接触する時
- あらゆる性行為
- 注射器、注射針の使いまわし
- 輸血
- 母子感染
※「薬害エイズ問題」については下記を参照してください。
HIV(AIDS)は日常生活では感染しません
感染しないもの:汗、トイレの便座や水しぶきなど、唾液(回し飲み、同じお皿の物を食べる等)、お風呂、プール、洗濯、通常のスポーツ、蚊、理髪店、美容院や鍼灸院など
- HIVは感染力が弱い
- 唾液にはHIVはごく少量しか含まれず、感染しません。
- HIVは人の細胞の中でしか生きていけません。大量の水に溶け込んだまま感染力を保ち続けることは不可能です 。
- HIVは蚊の体内の消化液により感染力をなくしてしまいます。仮に感染力があっても蚊の体内の血液は微量のため感染できる量には足りません 。
- 病院の器具、理髪店、美容店、鍼灸院などの施設では、器具の消毒・管理方法が法律で指定されています。使い捨ての器具を利用するところもありますので、よほどのことがない限り大丈夫です。
注意を必要とする場合
- ピアスや刺青(タトゥー)などを行う時に、使用する器具が消毒・殺菌されていない場合合
- 歯ブラシや髭剃りなどを共用する場合
- 激しい流血があるスポーツ(格闘技など)で、止血をしないで競技する場合
(感染者が出血し、その血液が傷口や目や口の中の粘膜に付着したり、 大量に血液を浴びることがあれば感染する可能性があるので、きちんと止血してから競技を再開することが大切です。) - 麻薬:注射器の使いまわし、判断力が低下してコンドームを使用しないセックスをするなど、感染リスクがあります
※麻薬は違法です。体も心も壊れていき、治すことは不可能です。絶対にやらないようにしましょう
症状
- 1 急性期
- まったく症状がない場合と風邪のような症状を起すばあいがあります。ちょっと具合がわるいな?と感じる程度なうえに、自然治癒したように見えるので気づかないことがほとんどです。
- 2 無症候期
- まったく症状がない期間を示します。人によって期間は異なります。数ヶ月から十数年の間、この無症候期がつづきます。
- この期間になれば、血液検査でエイズに感染しているかどうかがわかります。急性期だと血清検査でもわからないことがあります。
- 3 PGL期
- 全身のリンパが腫れます。これと同時に、風邪に似た症状がでます。熱がでて、疲れやすくなり、常に倦怠感に悩まされます。 体重が減少していきます。
- 4 ARC期
- 5のエイズ期と同時進行の場合が多くあります。PGL期をひどくした状態です。体重は10キロぐらい落ち、ものを食べる気力がなくなります。熱が長い間ずっとつづき、何もする気が起きなくなります。体にヘルペスができる場合もあります。
- また、神経にも症状がでてくるため、精神異常を起したり、眼が見えなくなったりもします。 半数くらいの人に脳の異常が見られるという報告もあります。
- 5 エイズ期
- 褐色の斑点が全身にでます。(内臓にも斑点があらわれます)この頃には、もう免疫力がほとんどなくなっています。普通の状態ではかからない病気にかかったり、普通なら直る病気が重症化して亡くなります。
検査方法
血液検査 (注射器で採決する方法や、ハリで少し指先を刺す方法などがあります)体内にHIV抗体ができているかを調べます。
- ①スクリーニング検査法
- この検査をして、陽性反応がでた人は、次の検査をします。
- ②陽性になったものについてはHIV確認検査法で確認します。
- ※HIVに感染していないのに、たまたまHIV抗原と反応する抗体を持っていて、結果が「にせの陽性」となる人がいるからです。 (1000人に2~3人位といわれています)
- 結果が本当にHIV感染による陽性か偽陽性かを確認する必要があるため、もう一度検査をすることになります。
- 保健所の検査
- 現在、全国のほとんどの保健所等で、匿名・無料のHIV検査・相談を実施しています。
- 病院での検査
- 医療機関でもHIV検査は受けられます。こちらは有料です。大抵が保険の適用になります。
- エイズ拠点病院
- 各地域の中でエイズ診療の拠点となる病院を確保し、そこを拠点として地域の他の医療機関においてもエイズ患者の受け入れを進めていくことを目的として、全国でエイズ拠点病院が選ばれています。お近くのエイズ拠点病院を探してみましょう。
感染した日(性行為した日)から、3ヶ月たっていれば検査できます。 血液中にHIV抗体ができるまでに約4~8週間かかります。この間は正確な検査ができません。個人差もあるため、3ヶ月という時間をとっています。
治療方法
さまざまな研究がなされています。 残念ながらHIV(エイズウイルス)を完全に駆逐する治療はまだ開発されていません。しかし、HIVの増殖を抑え、エイズを発症しないようにする治療が確立されつつあります。
- 治療を行う医療機関を選びます。
- 治療環境の整ったエイズ拠点病院 があります。
- 治療の開始時期まで待ちます。
- すぐに治療は開始されません。リンパ球数(CD4陽性リンパ球)が一定の数量未満になった場合が、治療開始の時期とされています。それは副作用などとのバランスにより決められているそうです。
- 治療は薬を飲む方法です。
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- 日本では10数種類の薬剤が認可されています。
- それらを組み合わせて使います。
- 薬を飲みながら、治療効果を調べたり、副作用などを確認します。
- 様子を見ながら薬の量や内容を検討します。
- どんな薬を選ぶかは、お医者さんと患者さんが十分に相談した上で決められます。
治療の注意
薬は続けてのまなければなりません。
重要なことは、薬を飲み忘れないことです。
服薬率が 90%に下がれば、治療効果が無効になる確率も高くなってきます。
1日5錠~20錠前後の薬を1日1~3回、飲む時間を定めて続けることが必要です。
副作用について
それぞれの薬剤により、血液・代謝・精神・神経・胃腸・皮膚などに副作用が出る場合があります。いずれの薬の組み合わせでも、 約4割前後の確立で副作用がでるようです。
コンドームの有効性:
HIV(エイズウイルス)の感染予防には、コンドームの使用が最も有効です。
注意すること
ここではHIV(AIDS)に関係する社会的な問題や家族間の問題などをとりあげてみました。
エイズに関して差別的な見方ができてしまった背景について
薬害エイズ問題について
血友病などの治療のために使われた、「非加熱血液凝固因子製剤」にHIV(エイズをひきおこすウイルス)が入っていました。そのため、この薬を使った患者がHIVに感染した問題です。
大変な問題になり、マスコミにも大きく取り上げられたため、現在この薬は流通していないと言われていますが、昭和53年から昭和63年までの間に流通していた薬については注意が必要、といわれています。ものについては注意が必要です。
- 感染が広がった理由
- 国や製薬企業が適切な対策をとらなかったためたくさんの犠牲者を出した。
- 血液製剤を安易につかう傾向があったため、血友病だけでなく他の病気や手術後の出血予防等にに血液製剤を利用した。
- 医師が感染を患者に告知しなかった。そのため自分が感染していると知らない人から別の人に感染が広がっていった。
- 対策
- 1人ないし2人分の国内産血液からつくるクリオ製剤を用いる (数千人の血液を混ぜ合わせてつくる非加熱血液製剤の危険性がUSAで明らかになっていたため、より安全な薬を作るべきであった)
- 危険な薬をを速やかに回収し安全な薬に切り替える
- 医師は薬の危険性を患者に告知する
- 製薬会社は、危険な薬を輸入・販売しない
- 政府(当時は厚生省)が対策を発表し、関係機関に指示を出す。
これらの対策がなされていなかったため、たくさんの犠牲者が出ました。そして当時は感染して数年以内に死亡することが多かったので、HIV感染者たちは厳しい差別にさらされることにもなりました
エイズと母子感染について
妊娠を希望している人で、まだHIV検査を受けていない人は早めに検査を受けましょう。 妊娠している人は、妊婦検診でHIV検査を受けることができます。 早めに感染がわかれば、対策をして妊娠・出産・育児ができます。 妊娠・出産を望んでいる人は、パートナーと一緒に検査を受けましょう。
赤ちゃんにHIVはうつるの?
HIVに感染していることに気づかないで出産すると赤ちゃんへの感染率は約30%、妊娠初期に感染がわかると1~2%と言われています。妊娠中から母子感染を防ぐための適切な対策をとれば、ほとんどの赤ちゃんが感染せずに生まれてきます。
適切な対策
- 「レトロビルという薬の内服など+帝王切開+断乳」
- 妊娠中の妊婦さんのレトロビルの内服
- 分泌時にはレトロビルの点滴投与を行い、生後6週間は赤ちゃんにレトロビルシロップの経口投与を行います
- (レトロビルの内服が問題のない患者さんのみ)
- 分娩
- 計画的に行う帝王切開(陣痛が始まってから緊急に行うものではありません)
- 陣痛が始まってからでは胎盤から漏れる血液により子宮内の赤ちゃんに感染する可能性があるからです。
- 赤ちゃんの検査
- 赤ちゃんが生まれたら、HIVに感染しているか調べます
- 検査は出生48時間以内、2週間後、2ヵ月後、3~6ヵ月後の4回行います。
- 最終診断は1歳6ヵ月時点で行われます。
- 育児
- 母乳をあげないようにします。 母乳にもHIVが含まれているからです。粉ミルクで育てます。
- 定期的な小児科の受診
- また妊娠中に母親に投与した抗HIV薬の赤ちゃんへの影響は、まだよくわかっていないためです。
HIVに感染している人の妊娠について
現在、人工授精で妊娠、出産した人がいます。いろいろと条件がありますので、国際医療センターにてご確認ください。
人工授精
現在日本では、婚姻している夫婦の女性のみが感染者であるケースが国立国際医療センターで行われております。実際に生まれた人もいます。
人工授精をする理由
- パートナーへの感染を防ぐことができる
- お母さんとなる女性の状態の良い時期に妊娠・分娩を計画的に行う
- 適切な母子感染予防策をとることができます
- そして赤ちゃんへの感染率をより低くおさえることができる可能性があります
エイズ治療の医療費補助制度について
エイズの治療は、医療費が高額になるため健康保険や自治体の助成制度を受けられることがあります。
その場合、あなたがHIV感染症に感染しているということを関係機関に伝えることになります。
障害者認定(病名により障害者認定が可能)
医療費の補助については国の制度と各自治体の制度を両方参照してください。
くわしくは医療機関の相談室、または保健所にお問い合わせください。


